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LFAの2017年的解釈、レクサス LC

レクサス LC 500h,LFA

レクサス LC 500h




LFAの思想を受け継いだLC

レクサスから、ラグジュアリークーペLCが発売され、発売から1ヶ月で予想の36倍となる1,800台の受注が入っているという。

この人気の秘密は、LFAの系譜を受け継ぎ、2017年的解釈を加えたクルマだからだと思う。

LFA

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LFAは、2010年から限定500台、3,750万円で販売されていたスーパーカーである。「トップギア」でそれまでレクサスに見向きもしなかったジェレミー・クラークソンが「今まで運転した中で最高のクルマはLFAだ」と述べ、日本車の評価を変えたクルマだ。とはいえ、10年ほど前のLFAがLCに与えた影響はあるのだろうか。

LCは、2012年にデトロイトモーターショーで発表したコンセプトカーLF-LCの革新的なデザインイメージをモチーフに、新開発プラットフォームGA-Lを活かし、低重心かつ低い全高が特徴となっているクーペだ。V型6気筒3.5リッターエンジンと走行用モーターのハイブリッドと、V8 5.0リッターN/Aエンジンの2つのパワートレインとなり、価格は1,350~1,450万円という展開で、輸入車とも真っ向から勝負にいっている設定だ。

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ハイブリッドの方では、車両のGやブレーキングの入力からギア段をコントロールする、ドライバーマインドインデックス(DMI: Driver’s Mind Index)制御を採用するなど、新しい技術がぎっしり詰まっている。

サウンドジェネレーターや排気バルブの採用により、「天使の咆哮」と呼ばれたLFAのDNAを受け継いだレクサスらしいエンジンサウンドを奏でる。その他、LCはLFAと同じ元町工場に専用の組み立てラインを新設し生産を行うことなど、LFAの影響は大きいらしい。

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さっそく製品企画担当のチーフエンジニア、佐藤恒治氏に聞いてみた。

――LCはLFAの系譜を引き継いでいるのではないでしょうか。

レクサス LC,左から、佐藤恒治チーフエンジニア、福市得雄プレジデント、森忠雄PCD

左から、佐藤恒治チーフエンジニア、福市得雄プレジデント、森忠雄PCD

「はい、その通りです。でもLFAは開発開始が十数年前のクルマなので、同じではなく、デザイン、テクノロジーともに進化していかなければなりません。まずそれが念頭にあります」

――具体的に共通点はありますか。

「特に内装にはLFAの影響がたくさんあります。例えばこのドライブモードセレクトスイッチなど、スイッチ類がメーターの横についているというのが、LFAからの影響ですね。それから、メーターリングが左右にスライドして動くのも、マグネシウムのパドルシフトも、LFAからの影響です」

――顧客から、LFA復活の要望が多かったのですか。

「いえ、社外からというよりは、社内でレクサスブランドをしっかりと育てて行こうという意識があり、使命感があったことからの方が強いです。LFAというのはやはりヘリテイジだと思っています。だからそれをうまく活かしていき、我々の遺産として受け継いていきたいという気持ちがあります。ただし、さきほども申し上げたように、LFAの開発当時には、スピンドルグリルがついていなかったなど、そういう所は進化させていただければいけないですよね。よりレクサスらしく進化させたのがLCです」

――ターゲットユーザーはどういった人でしょうか。

「ラグジュアリークーペセグメントということで言えば、BMWの6シリーズ、ジャガーのF-タイプ、さらにはポルシェ911も入ってくるかもしれないです。そういったセグメントを望まれるお客様にしっかりこたえられるような製品でありたいと思っています」

――雑誌「トップギア」でも、いち早くLCの試乗記事が掲載されるほど、海外にとってはとても興味深い一台のようです。

「LFAは500台しか作ることができなかったので少量生産でしたので、LCになると少しニュアンスが違ってきます。このプラットフォームは、LSなどにも展開できるものです。レクサスの他のラインナップにも使えるような部品を使いながら、クーペの世界観を表現しているのがLCです。LFAに比べてずっとたくさんのクルマを作ることができるので、LFAのように限られた人しか乗れないのではなく、街でたくさんLCが見られることを期待したいですね」

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続いてデザイン担当のプロジェクト・チーフ・デザイナー、森忠雄氏にも聞いてみた。

――LCはLFAの影響を受けていますか。

「やっぱりLCができた背景には、LFAをレクサスが作った、そこにあると思ってるんです。LFAがあったことで、レクサスのクルマとは何なのだ、とくに走りの性能について、走りの味作りみたいなものが始まったのがまさにあのクルマからなんですね。LFAはいわゆる象徴として作られたものであって、そこで見つけてきた味というか、タレ、みたいなものを次の時代のレクサスに伝えていこうと。そういう思いがあって、作られたクルマなのです。だからやっぱりLFAがあったからこそのLCなんです」

――共通点がたくさんあるようですね。

「即物的にはエンジンサウンドが同じ哲学です、とか、カーボンはLFAと同じ元町工場で作っていますとか、表面的な共通点はいっぱいあるんですけれども、僕らが一番大事にしているのは、むしろLFAを作ったチームがあの時大事にしていた、クルマ作りの考え方なんですね。」

――似ているのは、むしろベースの考え方なのですか。

「図面を色々積み重ねてみるのですけれど、おもしろいことに、LFAと車高は当然違うし、サイズだって違うんですけれども、結構大事なポイントがLFAに相似してるということがわかったんです。結果的にね。狙ってその寸法にしてるんじゃなくて、重要視するのは何かをLFAを横目に見ながら作っていくと、似た関係が出てくるんです。例えば、ステアリングの向きだったり、ドライビングポジションのあり方だったり。比べてみると意外と近いことに気づきました。まあ、説明には、わかりやすいので、エンジンサウンドが、とかカーボンが、って言ってしまうんですけれど、むしろ、LFAからクルマ作りの考え方を引き継いでるんです。

――今後、どのように引き継いでいくのでしょうか。

「LFAはスーパーカーなのにあんなに乗りやすいクルマなんてそうそうないんじゃないかと自負しています。素晴らしいクルマ作りをLFAがやり遂げ、なぜそうできたのだろうかということを常に考え、分析してきました。

慣性諸元を作り込む中で、重量物を中心に置き、ドライバーに近い部分にすることで、横方向の動きに対して重いものは真ん中へ集めるようにしました。そうすることで、リニアに自分と一緒にクルマが動く。原点にそういう発想があるわけです。全く同じ発想でLCを作りました。将来は、このプラットフォームが他のクルマにも波及していくとすれば、LFAが先鞭をつけて、LCがそれに続き、そしてそれが伝わって行くことになります。レクサスのクルマ作りが、歴史とともに方向性を持ってどんどん変わっていくということになるわけです」

やはり、LFAの存在は、レクサスのブランド力にとって、かなり大きな影響を与えるものだったようだ。LCにも、そして将来のレクサスにも、LFAの血は脈々と流れ続けていくだろう。トップギアの評価は決して間違っていなかったのだ。





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