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500万円以下の新型シボレー カマロと燃料電池に強いGMの世界戦略

新型シボレー カマロとGMジャパン若松格代表取締役社長

新型シボレー カマロとGMジャパン若松格代表取締役社長




燃料電池車でも最先端を走ってきたGM

ボウタイをモチーフにした金色のシボレーのエンブレムは、一度は目にしたことがあるのではないだろうか。そのシボレーでコルベットと共に人気の人気を二分するスポーツカー、カマロの新型が日本で2017年に導入される。500万円を切る、戦略的な価格で販売されるという第6世代のカマロだが、どんなクルマだか、正確に知らない人のためにお伝えしよう。

1969年シボレー カマロ

1969年シボレー カマロ

GMのシボレーカマロは、初代が1967年に登場した。今年で50周年を迎える、ロングセラーモデルだ。
発表当時のカマロはデザイン性を重視したわけではなく、実は当時のベビーブーム世代に広がった個人向けスポーツクーペの需要の高まりから急いで開発されたモデルであった。時間がなかったがゆえに既存のクルマの構造をベースにしていたが、結果的には最も美しい車の一台と称えられ無駄のないクラシックなプロポーションに仕上がった。全盛期の華麗で派手なモデルとは対照的でシンプルなデザインだったが、かえって飽きられないスポーツクーペになったとも言えよう。初代のカマロを今見ると、たしかにシンプルな印象がある。

新型カマロ コンバーチブル

新型カマロ コンバーチブル

そんなカマロが爆発的な人気となったのが、映画「トランスフォーマー」への登場である。「トランスフォーマー」は2007年に上映されはじめ、すでに4作が作られている人気シリーズだ。2017年の夏には5作目も公開される予定だ。
主人公サムの友人として登場する「バンブルビー」に、トランスフォーム(変身)するトランスフォーマーとして、シボレーカマロは登場し続けている。
2006年にコンセプトモデルが発表され、それが「トランスフォーマー」に登場し、販売は2009年となったこの5代目カマロ。ご存知のように、リーマンショックの影響でGMは破綻することになってしまったが、その間にこの「トランスフォーマー」によるカマロのPRができたのは、GMにとっては幸いであった。映画をたくさんの人に見てもらうことで、シボレーのブランド力もぐっと上がったというわけだ。
engine_tn最も、映画の影響力はかなり強く、カマロの印象は、ほとんどの人が、この5代目のルックスになってしまっているのではないだろうか。だが、初期の頃は、今よりもシンプルでエレガントさが感じられるもので、マッスルカーではなかった。時代に合わせて、スタイルを変えてきたカマロ。そういう意味でも、合理主義のアメリカらしいクルマだと思う。
そして来年日本導入が決定している第6世代のカマロは、まったく新しいプラットフォームで作られている。それによって今までにない低い重心となり、ヒップポイントがぐっと下がり、プロポーションが美しくなっている。現代のエンジニアリングとデザインの技術の融合で新しいカマロが完成した。リーンで贅肉がないが、グラマラスでアスレチックな顔つきだ。
来年改めて新商品として発表されるが、来月初旬には特別なキャンペーンを発表するという。価格は500万を切るという挑戦的な数字だ。
そして、このカマロにはGMの方向性が詰まっているということを忘れてはいけない。それは、50年前から燃料電池の研究に取り組み、他社との提携も積極的なGMのテクノロジー、Apple CarPlayをいち早く導入するなど、コネクティビティの重視、さらには、社会的責任を担うという大きな視野から生まれた安全性という、GMの3つの戦略だ。

CEOのメアリーバーバラはこう述べる。「GMという会社はただの大量生産の自動車メーカーにはないクルマがあることでお客様の生活がより良くなるようにすることがゴールだ」つまりGMは、トータルモビリティを提供する会社なのだ。

燃料電池車のシボレー コロラド ZH2。来年に米国陸軍で実験がはじまる

むちゃくちゃカッコいい、燃料電池車のシボレー コロラド ZH2。来年に米国陸軍で実験がはじまる。

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じつはGMは1966年にエレクトロバンで、燃料水素電池の実験を始めて世界で初めて行った会社だ。これはジョン・F・ケネディが1960年代の終わりまでに人類を月に着陸させるという計画のもと、燃料電池技術を初めて民生技術に応用するものであった。

2016年現在までGMは25億ドル以上を水素燃料電池技術投資している。2013年からは hホンダと次世代燃料電池システムを共同開発している。両社は2002年から2012年までの間に燃料電池に関する特許を1200以上取得しており、1位と2位を占めている。互いが燃料電池のリーディングカンパニーと主張する、燃料電池界の領袖である。

シボレー コルベット グランスポーツは、ドライビングアカデミーの場で発表された

シボレー コルベット グランスポーツは、ドライビングアカデミーの場で発表された。ドライバーの中にはドリフトで有名な川畑真人選手も

シボレーファンのためのドライビングアカデミー

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今年10月にワシントンD.C.で開催された合衆国陸軍協会(AUSA)の年次総会と展示会において、GMは、最新の燃料電池デモ車両であるシボレー・コロラドZH2を披露した。オフロードモデルであるこの中型ピックアップは、来年、陸軍において過酷な条件でテストされることになっている。ZH2は「GM Hydrotec」のバッジをつけた初めての燃料電池車として登場し、Ecotecガソリンエンジンの系統を汲む1台だ。

コネクティビティに関して米国では、カーシェアリングのほか、ライドシェアリングにも力を入れている。

日本市場では、フォードが2016年末で完全撤退をし、クライスラーはフィアットと一緒になってしまった今、純粋なアメリカンブランドの自動車メーカーは、唯一GMだけともいえるのである。そのアメリカンラグジュアリーブランドたるGMが放つ、アメリカンプレミアムスポーツとして、新型カマロは日本市場でも重責を担った、期待の大きい一台になるはずだ。

2016年第3四半期は過去最高となる純利益を出し前年同期比104%増を達成したという好調なGMだが、次期トランプ大統領の元で、さらなる拡大が期待できるところだ。ITと金融、経済に強いアメリカを具現化するクルマが、GMから登場していくだろう。



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