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199.9万円のポロ、249.9万円のゴルフとVWが低価格化路線

フォルクスワーゲン グループ ジャパンの社長に就任したティル シェア氏

フォルクスワーゲン グループ ジャパンの社長に就任したティル シェア氏



排ガス偽装問題への言及は最小限

フォルクスワーゲンが日本市場への信頼回復を行うべく、ポロ、ゴルフ、ゴルフ ヴァリアントで低価格のエントリーモデルを投入した。

発表を行ったのは、3月に社長に就任したティル シェア氏。シェア氏は2003年からフォルクスワーゲングループで働き、香港やベントレーとブガッティの中国全域を統括する役割を担うなど、アジアの主要地域での経験に長けている人物だ。

新しいブランドスローガンたる”Think People=人を真ん中に考える”を引っさげ、日本市場の信頼回復に務めるという。低価格化しただけではなく、先進安全装備や快適装備の充実を図りながら、前を向いて地道に信頼を取り戻すのだ、と。

本日の発表では、新しい社長やこれからのフォルクスワーゲンの取り組みについて語られたものの、全世界を騒がせた排ガス偽装問題については、何が原因で起きたと考えられているのか、また、現状どこまで検証が進んでいるのか、ということについてはほとんど触れられていなかった。シェア社長によると、ディーゼル問題への究明には時間がかかっており、決定事項ではないが、四半期末までに検証結果については発表できる見通しであるという。

この問題が起きた次の月に、日本市場では前年同期比-50%になるなど、深刻な販売減となってしまったフォルクスワーゲン。未来に向かったサービス内容自体は素晴らしいことではあるが、前提として、なんらかの説明が必要ではなかったのではないかと感じた。問題が生じてしまったことは事実であるので、それを自ら説明してからでないと、素晴らしいサービス内容も耳に入って来にくいと思う。問題が起こるとすぐに販売減に転じてしまったことからも、とくに日本市場に対しては総括からのアプローチがあった方が良かったのではないだろうか。

この発表会には、モータージャーナリストの繁さんも参加していたので、以下、繁さんの見解を記していきたい。



 

さまざまなリカバリー策

まず、フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンの社長が交代した。こういう時に、社長のリーダーシップは大切である。まず、価格を含めた商品力を大幅に強化した。また、ユーザーサービスやサポート・プログラム、さらに様々な形でのユーザーコミュニケーションを充実させてきた。特に、以前「Think Small」というスローガンがあったが、今回「Think People」とし「人を真ん中に考えるクルマ」としていきたいとスローガンを新しく打ち出している。

これは、より多くのユーザーに、VW をより気兼ねなく乗って頂きたいと言う意味である。つまり、「VW はより大衆に身近なブランドを目指す」という事なのだろう。

考えてみたら、メルセデス・ベンツ・ジャパンも、メルセデスミーなどの取り組みで、「より身近なベンツ」を目指すことで、販売台数は伸びている。

VWはプレミアムブランド?

VWは本国ではその名前が示すように「大衆ブランド」である。しかし、日本でのVWは何と言っても輸入車ということがあり、大きなシェアの国産車と較べた場合にプレミアムブランドだと思う。

また、フォルクスワーゲン・ジャパンでは、ゴルフはVW の中心ブランドと位置づけている。当然、ユーザーもそう考えている。確かに、ゴルフの販売台数は28年間輸入車の中で、NO1だ。ということはVWを超えて輸入車の中での中心ブランドということだ。

日本では「輸入車=プレミアム」と考えがちなので、「VW=ゴルフ=プレミアム」という数式が出来あがってしまう。

ゴルフは日本で大衆ブランドになれるか

ポロは日本の5NOサイズに入っているが、ゴルフは3NOサイズで、しかも全幅は1800mmもある。国産車の中ではクラウンと同じ。これをみると「身近なブランド」には、なりにくいかもしれない。

しかし、ポロはVW内の位置づけからしても、ゴルフにとって変わってVWブランドの中心とはなり得ないですから、やはりブランドの中心はゴルフだと思う。

ゴルフがプレミアムかそうでないかは、横に置いておくとして、今回よりユーザーが購入しやすいように、価格も見なおしている。これは、台数減少をカバーするための方策として、即効効果も期待できる。

過去マクドナルドは100円バーガーをキッカケに大きく売上を伸ばした。しかし、様々な要因はあったが、マクドナルドのブランドは落ちて、中々昔のようなブランド力にもどれない。マクドナルドの顧客も100円バーガー投入後、変化していったのだ。

だから購入しやすい価格設定は、即効効果にとどめて、なるべく速くキチンとした価格での販売が大切である。

いかに顧客にプレミアム感をあたえるかということはやはり、輸入車の宿命・性だと思う。VWは本国では確かに大衆ブランドなので、それを日本でプレミアムブランドとするのは、特にデザインがさっぱりとしているので、ユーザーへの訴求が難しいのは理解できるのだが、日本においてゴルフの品質・性能は間違いなくプレミアムブランドにふさわしいものをもっている。

VWがやるべきこと

あのようなことがあったVW が真っ先にやるべき事は「傷ついたブランドの回復」なのだ。「販売台数回復」はドイツ本社からの要請もあるだろうが、いずれにしても至急の命題であることは想像できる。

メルセデス・ベンツは「あのベンツがこの価格でなら私も」ということで、「あの」の意味は「高級車ブランド」と言う事になる。

しかし、VWのようにブランドが傷ついていれば、「あのVWがこの価格で」となるだろうか?

「売れないから安くしている」とユーザーにイメージされかねないのではないだろうか。それでも、当面の販売台数は間違いなく上がると思うが、出来るだけ早く正常な形に戻さなければならない。

販売台数が少なくなった状況を日本の特殊性として、いかに本社を納得させながら、日本でのVW ブランドの再構築を急ぐか?ここが新社長の頑張りどころではないだろうか?



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