試乗記SUBARU

XV、インプレッサ、フォレスターに通ずるスバルの設計思想

SUBARU XV 2.0i-L EyeSight

SUBARU XV 2.0i-L EyeSight



スバルのSUVラインナップではコンパクト系の2台

元メーカーの開発担当者で、現在はモータージャーナリストをしている繁浩太郎さんと、スバルXV、インプレッサ、フォレスターに試乗してきた。試乗したのは以下の3台である。

最初に乗ったのは、SUBARU XV 2.0i-L EyeSight は、車両本体価格2,592000+オプション459,000=3,051000円のものだ。XVは、2,289,600-2,592,000円のレンジなので、最上位となり、2.0i-Lアイサイト付きだ。

次にIMPREZA SPORT 1.6i-L EyeSight Proud Editionは、2,160,000+64,800=2,224,800円。

IMPREZA SPORT 1.6i-L EyeSight Proud Edition

IMPREZA SPORT 1.6i-L EyeSight Proud Edition

最後にFORESTER 2.0XT Eyesightは、3,128,760+356,400=3,485,160円。フォレスターの価格レンジは、2,149,200-2,160,000円なので、最上位となる。2.0XT EyeSight付きだ。

今回新しくなったXVとフォレスターに関しては、スバルのSUVラインナップの中では小さめで、軽快な走りを求める人におすすめしたい。

FORESTER 2.0XT Eyesight

FORESTER 2.0XT Eyesight

―操縦安定性能はいかがでしたか。

動的な操安フィールは、一言で言うと安定性が高く、ハンドリングもスムーズそのもので、改良された新型を実感しました。

今回は、インプレッサは乗用車ですがXVとフォレスターは所謂SUVになっておりタイヤも大きく、車高も高く、乗り心地や安定性が難しい部類に入りますが、全く乗用車と同じような安定性とスムーズなハンドリングで走ってくれました。

また、XVでたまたまきついカーブにオーバースピードで入ってしまいましたが、車線を超えてしまうことがなく、スムーズに曲がってくれたので、安心できました。

もともと水平対向エンジンで重心高が低いことや、今回の新型でステアリングギア比が改良されたうえ、さらに数々の技術によって、思った方向へキチンと曲がってくれるので、気持ち良いし、安心です。

 ――乗り心地と高い操舵性が両立しているSUVでしたね

とくにSUVでは、ハンドル中立時の座り感と微舵でのフィールは設計が難しく、タイヤやジオメトリー、パワーステアリングによるところが大きいのです。でも、スバルの3車種とも、中立から微舵、また、大きく切り込んでいっても、そのフィールはスムーズなものでした。

つまり、ドライバーの意思に沿った操安フィールとなっているのです。この辺りはかなり入念に開発されたものと思います。乗用車とSUVという、車種、さらにサイズや重量が異なるこの3車種の間でも、その操安フィールはほぼ統一されていて、”スバル車の乗り味をこうしたい”という強い意思と技術があるということを感じました。

 ――走りの気持ちよさについてはどう評価されますか。

一般的に、アクセルフィールは加速感を強調したようなセッティングになっているものが多いです。大雑把に言えば、「ちょっと踏んだだけで、ガバッとスロットルが開き、ガバッと加速するようなセッティング」です。

この場合、最初にガバッとスロットルを開けてしまうため、さらにアクセルを踏み込んでも、その後は最初ほどの加速感は続きません。

アクセルの踏み込み量と加速感がリニアに作動しないので、人間の感覚と異なってしまいます。

その点、今回のスバル車はアクセルの踏み込み量と加速がリニアに繋がっていて、スムーズに加速します。

さらに他社では、ブレーキも「よく効く」という事を主張したいのか、チョイ踏みでガクンときくような、いわゆる「かっくんブレーキ」的なセッティングになっていることが多いです。でもスバルは、踏み込み量に応じてリニアにブレーキが効きます。

――ドライバーの意志が自然に反映されるようなセッティングなのですね

さらに、アクセルとブレーキペダルの段差ですが、これは間違えて踏み込んだり、一緒に踏んでしまったりという誤操作しにくいようにという配慮からか、最近では大きく段差をつけている車も多いです。

しかし、これって結構ペダル操作がやりにくくなってしまいます。誤操作防止のはずが、普段の操作に支障をきたすのではと、心配になります。

つまり、アクセルからブレーキを踏む場合に、段差があるので横へ足をスライドさせて踏むのでなく、一旦足を手前に上げてブレーキを踏まなくてはなりません。

とくに日本の走行状態を考えると、高速の長距離より短距離が多く、都市部には信号もたくさんあります。ずっとアクセル踏みっぱなしという場面は少なくて、比較的頻繁にアクセルペダルとブレーキペダルをいったりきたりしますからね。

スバルの場合は比較的この段差が少ないので、頻繁なペダル操作になってもスムーズに行えると思います。

このアクセルとブレーキのフィールと操作のしやすさは、走る事とユーザーの事を考えたスバルの設計思想そのものではないかと思うのです。

――スバルの設計思想ですか

NVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)も、一般的には剛性が高い大きなタイヤを装着すると、NVHは辛くなります。しかしXV/フォレスターはSUVの無骨さを感じない、全く静かで乗り心地の良い乗用車でした。

当然、エンジンルームの吸遮音部品をはじめ、隅々までNVH対策が施されています。

スバルの「後側方警戒支援システム」一例

スバルの「後側方警戒支援システム」一例

また、スバルの設計思想には、「視界が良い」というも挙げられます。当然いまの車はスバルの「後側方警戒支援システム」のようなハイテク装備もありますが、これに頼ってか、外のスタイリングを重視するあまりに、直接視界を犠牲にしているクルマは多々見られます。

直接視界は運転操作の基本であると思います。

こういうクルマは「カッコイイ」と思って買っても、じっくり乗り始めると「なんだか運転しにくい」という気持ちになりかねません。

――最近は車両保有期間が長くなりましたしね

そうです。最近では平均保有期間が10年近くになっているようです。長く乗ると錆などが心配ですが、スバルの場合は「錆対策」はあらゆる部分に行われています。

インプレッサはサイドシル部分の下側半分くらいにチッピング塗装が施されている

インプレッサはサイドシル部分の下側半分くらいにチッピング塗装が施されている

XVやフォレスターはガーニッシュでサイドシルを保護

XVやフォレスターはガーニッシュでサイドシルを保護

その中の1つとして、サイドシル部分はフロントタイヤが跳ねる小石などを受けやすい部分になります。そこにはキチンとボディの塗装だけでなく、耐チッピング塗装がされていたりします。

今語ってきたのはほんの一部分ですが、スバル車の設計思想が乗る人のことを良く考えたものになっていて、「真面目なクルマづくり」をしているということがおわかりと思います。

近年、SUV(Sport Utility Vehicle)又はクロスオーバーなどと呼ばれ方はいろいろありますが、ブームとなってきていて、各社SUV系の車種を充実させています。

SUVでも2WDを購入するユーザーが多いこともあり、また各メーカーは投資効率的にも乗用車ベースのモノが多くなってきているようです。

これらは基本的にはユーザーの好みで選べば良いと思いますが、AWD先駆者的なスバルの信頼感は、それが追い風になるのではと思います。

一方で、「意外と」と言うと失礼ですが、スバルは「タンジェリンオレンジパール」や「デザートカーキ」など、とても良い色のカラーバリエーションが充実しています。

今回の新型車3車はスバルのキチンとした設計思想のもと、「とことん運転しやすく、乗っていい」クルマになっていました。

今後はさらに、ユーザートレンドやその好みを先取りして、益々素晴らしい機種を投入してユーザーの期待に答えてもらえたらと思います。

ユーザー側にたったスバルの設計思想にあふれた3台だったが、とくにXVは、運転が未熟な人でも楽に乗りこなせるSUVなので、クルマに乗り慣れていない人でもおすすめだ。高さ1780mm、長さ4450mmなので取り回しも良く、都市型のライフスタイルを送る人にも適している一台だろう。

 



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