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VWが米国で排ガス数値を偽装、株価-20%と制裁金2兆円で暗雲立ち込める

皮肉にも2015年1月にデトロイトで北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したGolf

皮肉にも2015年1月にデトロイトで北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したGolf



北米でイヤーカー受賞のゴルフも対象で、株価急落

アウディ A3

アウディ A3

昨年、グローバルの販売台数でトヨタを抜き、快進撃だと思っていたフォルクスワーゲンがピンチとなっている。

EPA(United States Enviroment Protection Agency:米国環境保護局)から、4シリンダーのディーゼル車で、排ガスの検査のときだけに作動するソフトがインストールされていると指摘された。通常走行は、基準値の40倍にまで達するという。

対象車両は下記の5種類のディーゼル車で、2008年から482,000 台が米国で販売された。
• Jetta (2009 – 2015年モデル)
• Beetle (2009 – 2015年モデル)
• Audi A3 (2009 – 2015年モデル)
• Golf (2009 – 2015年モデル)
• Passat (2014-2015年モデル)

Beetle

Beetle

Jetta(米国仕様)

Jetta(米国仕様)

皮肉なことにゴルフは、2015年初めのデトロイトモーターショーで「北米カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、表彰されている。日本でも2014年に、ゴルフは輸入車で初めてカー・オブ・ザ・イヤーを受賞していることは記憶に新しいだろう。

CBSほか米国メディアによれば、1台につき37500ドルの制裁金が課される可能性もあり、その場合は概算総額が180億ドル(2兆1600億円)にも上るという。

制裁金も莫大だが、こういった不正行為に対して、市場は容赦しなかった。21日のフランクフルト証券取引所で、VW株は、前日比-20%以上下落したのである。下の図では比較としてBMWとダイムラーの株価も記してあるが、当然ながら、VWだけが急落しているのが明白だ。

vw_daimler

(フランクフルト証券取引所)

筆者は自動車業界のレピュテーション問題について調べたことがあったが、-20%も下がったというのはかつてなかった。改めて実証分析をする必要すらなく、統計的に有意な結果となることがわかる。

先日VWとの提携を解消し、自社株を買い取ったばかりのスズキは先見の明があったというべきだろうか。ただ、もっと後になってから、VWがスズキに対して、契約違反の損害賠償請求訴訟を起こす可能性も残されているので油断はできない。

いずれにせよ、VWの世界的な信頼が根底から揺らいでしまった事件であることは間違いがない。販売台数含め今後の業績に多大な影響があり、偽装の代償はとてつもなく膨大についてしまった。復活までには時間を要するだろう。

<追記>今回の対象となるEA189エンジンを搭載した車は全世界で1100万台あり、ドイツ連邦自動車交通局(KBA)とも連絡を取ったところなので、欧州としても何らかの対策を打つ可能性も出てきた。また、2015年第3四半期に、特別損失として65億ユーロ(8700億円)を計上するという。この問題はさらに拡大しそうだ。



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