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Hondaがさほど利益をもたらさないS660を作った理由

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大人気のS660次回納期は2016年1月から

S660が発売された。年明けの東京オートサロンでも注目を集めていたので、発売当初から完売が報じられた。受注状況のHPを見ると次の2,400台分の受付は6/18-6/24だが、納期は、2016年の1月からだ。それでもまたすぐに予約受付終了してしまいそうな勢いである。
自動車メディアやモータージャーナリストからも好意的な記事が多いのも、人気に拍車をかけているのだろう。
S660は200万円と軽にしては確かに高価だが、クルマの購入を検討しているユーザーにとって買えないというほどの金額ではない。特にクルマ好きユーザーにとっては、買って乗っている自分の姿をつい想像してしまうような、嬉しい悩みの始まりだ。

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だが、現代は「スポーツカー受難の時代」とも言われている。結局売れるのはミニバンで、スポーツカーなんて売れない、それが通説なのではなかったのだろうか。じゃあ、なぜ、ホンダはS660を世に出したのか。
こんな疑問が湧いてきたので、前回“メッキ顔なら鉄板で売れる”の際にインタビューした繁浩太郎氏に聞いてみた。ミニバンからN-Boxまで数多くの車の企画、開発、ブランド戦略に従事してきた元ホンダの繁浩太郎氏は、S660の統括責任者の職を務めた人でもある。

スポーツカーは売れません

――スポーツカーってそんなに台数は出ないんですよね?
仰る通りです。日本全体の新車販売台数からみると「2Dスポーツカー」の比率はごくごく少ないというのが現実です。図表をご覧ください。これは、日本自動車販売協会連合会(自販連)のデータですが、2014年度の登録車販売ベスト30に一台も入っていません。各メーカーのスポーツカーと言われる車種の発売からの販売台数推移を見ると一目瞭然なんです。だいたい発売から1年も経つと超低空飛行に入ってしまいます。

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――そうなんですか。クルマ好きをワクワクさせるスポーツカーなのに、なぜそんなに低空飛行になるんでしょうか?
当然カーメーカーもそれは分かっていて、最近のスポーツカーのメーカー発表の販売予定台数は少なくなっています。当然価格は割高になっていき、これらの車種で見ると投資と回収のバランスは売れ筋の車種より良くはないはずですね。

――それじゃ作らない方が良い気もします。なぜ、メーカーはスポーツカーを販売するんでしょう?

昔、ほとんどのユーザーはスポーツカーに憧れたものですが、今の時代はそうではなくなっています。とくに、いま若者と呼ばれる人たちは、高度成長やバブルの頃の日本を知りませんし、その後に育つ空気感はそれ以前とは大きく異なります。
そんな若い人たちを一言で表すなら「堅実」ですね。私の若い頃は、収入が人並み位でアパートに住んでいながら、ポルシェなどの高級スポーツカーに乗っている若い人が結構いました。これはどう見ても「堅実」ではありませんね。しかし、貯金がなくてもたとえ借金があっても、将来なんとかなると思える時代でした。今は高齢化社会、年金の破綻という言葉が飛び交う社会で、とても「チャレンジング」にはなれませんよね。若者だけでなく、多くの人が「堅実」にならざるをえないのもわかります。
だから、軽が売れるのです。
軽は「堅実」な価値観の空気の中、又「軽で十分」と言われる商品に成長した中、新車販売比率は40%を超えています。
――若い人が堅実、これはとても実感できますね。

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