話題HONDA, NISSAN, TOYOTA

“ミニバンはメッキ顔なら鉄板で売れる”これってホント?元企画開発者が解く国産メーカーのマーケティング

ホンダ STEP WGN SPADA/ステップワゴン スパーダ

ホンダ STEP WGN SPADA/ステップワゴン スパーダ

ユーザーもまた日本人らしさ全開

実のところユーザーは、フロントグリルの意匠について大して関心を持っていないのではないかと私は思っています。そもそものグリルのデザインに大きな個性を必要としていない、というか「こうなっているのが、流行りなのね」その中で、「ここが少し違うわね」くらいの意識なのかもしれません。クルマや他の物を買うとき、「どれがおすすめですか?」とよくユーザーに聞かれるというセールスの方の話を聞きますが、その場合、ユーザーのデザインを選ぶ心理は「外したくない≒無難」、「だいたい他のみんなと同じがいい≒同調」という事かもしれません。つまり、ステップワゴンのユーザーとセレナのユーザーで言えば、双方の価値観はほぼ同じで、メッキデザインの良否でなく「どういうグリルが流行り?流行りはメッキなのね、なら安心。そう言えばメッキは立派で良いね」が決め手になっているということです。
ーなるほど。横並びが心地よいというわけですね。確かに、レストランでも「おすすめは何ですか?」と聞くことはあります。
日本人の特性として、大きく他の人と離れたくない、自分らしさは欲しいが、多くの人との仲間の中に入っていたい、除け者になりたくない、だから、できるだけ自分の個性や主張は控えるという傾向があります。周りを見回すと男性サラリーマンは、紺か黒色系のスーツが多いですが、これなど、誰が決めたことでもありません。サラリーマンの各々がそれを良しとしており、そこには、はぐれ者になりたくないという心理が働いています。
これは、日本人のルーツである農耕社会で仲間のみんなと力を合わせて生きてきたことが要因として考えられ、狩猟で生きてきた個人が基本である欧米民族と異なる点ではないかと思います。

トヨタ NOAH/ノア

トヨタ NOAH/ノア

トヨタ Esquire/エスクァイア

トヨタ Esquire/エスクァイア

テレビの世界でも、選挙があればどの放送局も選挙、テニスの錦織選手が勝てばどの放送局も特番報道、朝の8時台などもだいたい同じテーマのニュース番組、そんな中で、テレビ東京だけはいつも違う、立ち位置が違います。きっと、番組作りの理念やコンセプトつまりブランドが、他の放送局と異なるのだと思います。
そのテレビ東京は、他社の営業利益が減益となる厳しい環境の中、2014年の第3四半期は11%以上もの増益となりました。

偶然かも知れませんが、この一端から世の中の流れが、「みんなと同じでは選びようがないし、個性がある方がイイね。なによりこういう人、こういう会社はわかりやすい。」つまり「何なのかをもっと知りたい」と思い始めているのではないのでしょうか?それぞれの個性、個別性を受け止め、理解したいという欲求が、日本の農耕民族の村社会(ボツ個性)から欧米の狩猟で生きてきた民族(個性化)の方向に向く、つまり価値観の多様化を受容するように変化してきているように思います。
そんな中では、マーケティングアプローチも従来型の「個性を控えて、より多くの人を取り込む」から、「個性を訴求し、それに共感する人を確実に取り込む」に転換する必要があるように強く思います。

ー逆に考えれば、日本の自動車メーカーも横並びから脱却することが儲けにつながるということでもありますよね。

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